1日目 ダクタル氏と魔法のキャンディ

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「あなたが心から望むことをひとつだけ、叶えてあげましょう」と彼は言った。 あたしはてっきり、引き出しから這い出てきた悪趣味な彼が、夢のような魔法の道具を用いて、あたしの望むところすべてを叶えてくれるものと思っていた。 そしていけ好かないキヨミを陥れたり陥れようとして失敗したり、クラスのアイドルユウイチ君の入浴シーンを覗いたり、恐竜時代へタイムトラベルして恐竜の赤ちゃんと感動的なエピソードを紡いだりするのだろうと思った。 しかし丸くも青くもない悪趣味な彼はこともなげにこう言った。 「叶えられる願いはたった一つだけです。 そのひとつを強くイメージしてキャンディを食べるんです。」 「ただし期限は今日から7日。8日目にキャンディを食べても、効果を発揮しません」  
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