決意

2/2
前へ
/20ページ
次へ
とうとう、委員会室には委員長と自分しかいなくなった。 「おい、桂華。本当に大丈夫か?さっきから様子が異常だよ;」 「あはは。大丈夫です。」 「異常だな。送ってくよ。」 「いや、大丈夫です!友達と帰りますので。」 「友達って…、あぁ、吹奏楽部か。」 「え?吹奏楽?」 今まで、自分のことだけに集中していたせいで、音楽室から聞こえてくる吹奏楽の演奏が聞こえていなかった。 「吹奏楽部は、7時までやってるみたいね。この部屋で待ってるなら、鍵置いてくけど…」 委員長の言葉を途中までしか聞いていなかった。もし、今が本当に昨日ならば、あの事件はまだ発生していない。もしかしたら、止められるかも。技術棟に忍び込んで、事件が発生するまで待っていれば… 「…っぱり、送ってった方が良さそうだね。」 「え?あ、大丈夫です。では、私はこれで!さようならっ!!」 「お、おい。傘はっ!!」 急いで言葉をかけたが、桂華はもう階段を駆け下りていた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加