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とうとう、委員会室には委員長と自分しかいなくなった。
「おい、桂華。本当に大丈夫か?さっきから様子が異常だよ;」
「あはは。大丈夫です。」
「異常だな。送ってくよ。」
「いや、大丈夫です!友達と帰りますので。」
「友達って…、あぁ、吹奏楽部か。」
「え?吹奏楽?」
今まで、自分のことだけに集中していたせいで、音楽室から聞こえてくる吹奏楽の演奏が聞こえていなかった。
「吹奏楽部は、7時までやってるみたいね。この部屋で待ってるなら、鍵置いてくけど…」
委員長の言葉を途中までしか聞いていなかった。もし、今が本当に昨日ならば、あの事件はまだ発生していない。もしかしたら、止められるかも。技術棟に忍び込んで、事件が発生するまで待っていれば…
「…っぱり、送ってった方が良さそうだね。」
「え?あ、大丈夫です。では、私はこれで!さようならっ!!」
「お、おい。傘はっ!!」
急いで言葉をかけたが、桂華はもう階段を駆け下りていた。
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