10人が本棚に入れています
本棚に追加
そのささいな出来事から、いつかはあの女性のような歯科衛生士になりたいと思うようになった。
高校卒業後の進路は迷うことなく歯科専門学校を選択し、国家試験には一発で合格した。
専門学校卒業後は開業医の歯科へ就職し、やはりこの仕事を選んでよかったとつくづく思った。
ーーしかしあの男に出会って全てが変わってしまった。
彼は患者として優子の職場に通院していた。人あたりがよく、好青年という言葉がぴったりあてはまるような男性だった。少なくとも誰からもそう見えた。
何回か顔を合わせて時折雑談を交わす仲となり、やがてはプライベートを共にする恋仲になった。
最初のコメントを投稿しよう!