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共依存という言葉がある。過去の自分はまさにそうだったなぁと、白くなまめかしい素肌に降り注ぐ温水を浴びながら優子は思った。
本当にどうしようもない男だった。様々なものを奪われた。なのに離れることが出来なかった。しかしそれは決して恐怖からではなかった。
こんなに弱い駄目な自分を受け入れてくれるのは彼しかいない、そしてこんなに生き方の不器用な男を愛せるのは自分しかいない。殴られるのは私が悪いからだ。それに彼は殴った後に泣きながら謝って優しくしてくれた。彼も苦しいのだと自分に言い聞かせていた。
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