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「………」
「ん?どうしたの?」
ドアを開けると、自分の目に飛び込んできたのは知らない人だった。
そう、何もわからない赤の他人ってやつだ。
知らない奴が居た。しかも俺の部屋に…
叫びたいのだが驚きが勝ったからなのか、はたまた恐怖からなのか…なぜだか声がでなかった。
い、いったいなんなんだよ…。
「ちゃんとバスタオル使った?」
「え?…あ、あぁ」
声が裏返ってしまったが返事はすることはできた。
そ、そうか、このタオルはこいつが用意してくれたのか…。
それはありがたい…のだが、しかし待て待て、先ずこいつはいったいどこの誰で、尚且つどうやって侵入して、更には何が目的でこの部屋にいるんだ?
「な、なぁ…お前は何者なんだ…?」
落ち着くために一呼吸。
してからやっとの思いで声に出せたのは情けない質問。
それに返ってきたのはまさかの返事。
「あ、お前って言うのは失礼なんだよー!この世界では魔野 亜希って立派な名前なあるんだからねー??」
「え、そ、そうか…すまん」
って、ん?
喉に引っかかるようなむず痒い言葉が一つ。
今、こいつは、「この世界で」と言った。
という事はだ、こいつはどこか別の世界からやってきたとでも言うのか?
もしや宇宙人!?未来人!?超能力者!?異世界人?
…落ち着け俺、頭がメルヘンなだけの可能性のが高いだろ…
「…じゃあもう一度聞く。亜希は一体何者なんだ?」
「え~とね、悪魔!」
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