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「…もう、良い。貴様の体にその強さを聞いてやる」
「いやー、姫ちゃんやらしいっ!俺の体だなんて……骨と皮と脂肪とその他諸々しか無いけど?」
大体、俺っち基本的に女の子には手を上げないのが信念だし。
自分がいくら殺されかけようとも、絶対に手はだしますぇーん!
と、言う訳で、せっかくの姫ちゃんの申し出だけど断ろうと思いますわ。
「行くぞ…!」
サバイバルナイフを片手に詰め寄ってくる姫ちゃん。
え?今すぐやるの?俺返答していないんだけど……強制イベントですか?
姫ちゃんがサバイバルナイフを突き出して俺を貫こうとしてきたから、全力で俺は生徒指導室を抜け出して、脱兎の如く逃げ出した。
……いや、普通逃げるでしょ?いきなりナイフで切りつけられるんだぜ?
逃げないで立ち向かう奴がいたら俺はそいつを尊敬と崇拝するさ。
だって非常識じゃないのさ。
姫ちゃんの追跡から逃げる逃げる。気分は警察と泥棒感覚だった。
ついに追い詰められた俺は桜華高校の屋上に逃げ込む。
屋上からは緑色に染まる桜の木が目線の高さで見える。
屋上には他にベンチがある位だが、目の前に広がる桜の葉……それだけで気品や優雅さを感じる自分が居てしまった。
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