一本目

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        ―――と、これまで過去の話をさせてもらった訳だ。 執事服を着てサバイバルナイフを持った女性の名前は桐生 姫菜。   彼女はとある理由で俺の通う桜華高校の教師をしていた。 ちなみに、俺は彼女の事を姫ちゃんと呼んでいる。     姫ちゃんの性格は恐らく、ツンツンの部類に入るだろう。 更に、男性を嫌うためにかなり俺は目の敵にされている。   アレだよアレ、姫ちゃんってあだ名で呼んでるからだきっと。 可愛いあだ名だと思うのにな……そうは思わないか?         「祐介、一体お前は何処を見ている。遂に頭がおかしくなったか?」   「やかましいわ睦月!」       今、俺に明らかな暴言を吐いてきたのは神流 睦月、と言う。 性別は男性、性格はひねくれてい――痛いっ!     「悪い顔をしてるぞ」   「大きなお世話だ!生憎ながら元々こう言う顔だわい!」       まったく、睦月は俺の心友だが、究極のサディストだ。 奴自身、自覚している分だけ質の悪い性格を作り上げていやがる。     言い忘れていたが今は高校の授業が終わって放課後の時間帯。 睦月はバイトをしているためにすぐに帰宅し、俺は生徒指導室へと呼び出しを喰らっていた。   勿論呼び出しをした張本人は姫ちゃんだ。散々姫ちゃんと呼ぶものだから、堪忍袋の緒が切れたようだった。       ……やっちまったぜベイベー。    
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