第一色

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      月明かりに映し出される彼女の顔は、光源もないのに輝いて見えた。 美しい黒髪、大きな瞳、小ぶりな鼻、小さな口。   ……何故人との接触が嫌いな奴が近寄ってくる…普通ならば逆だろ逆。       「あなたは、私と同じ」   「あぁ、同じだ……と言っても、両親がいないだけが共通点だがな」     「…違う…雰囲気がそう言ってるの…」       同じ存在だからこそ分かる雰囲気、か?類は友を呼ぶ、とも言われる。 だが、初対面の奴に向かって同じ雰囲気を持っていると言うのは些か不自然ではないだろうか? 答えは彼女のみが知っている。彼女しか知るはずが無かろう。   ところで、気になったんだが彼女は本当に俺と同じ年齢なのだろうか? そうにしては同年代の平均女性身長よりも若干下回っている位なんだが……まさか日本なのに飛び級なのか?         「……えっち…体じろじろ見て…!」   「いや、身長低いな、と思ってな。頭一つ分位違うんじゃないか?」     「うるさい……これから伸びるのー…!」       それは失礼致しました。 しかし、完全に拒絶されるかと思ったら、案外そうでもなかったな。 実はそこまで人が嫌いな訳では無いとか…?     「なんだ、普通に話せるじゃないか。人が嫌いと言うのは、そこまで完全に嫌いでは無いらしいな」   「…っ…知らない知らない知らない…!」       む…?急に拒絶的になったぞ。やはり余計な事を言わずに接していれば良かったのか?   いや、ここはあえてツッコミを入れた方が為になるだろう。    
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