第二色

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      彼女を無事に送り届けた日から数日が経過した。 既に何日も登校しているが、何故だか彼女には校内で会うことはなかった。 人と距離を取ることが理由で、恐らく校内のどこかに居るのだろう。     一日の授業も終わり、放課後になって俺は再び図書室へと向かってみた。   図書室に行けば、彼女と出会えるかもしれないと直感したからだ。 一番最初に会ったときも、場所が場所なだけに本を読んでいたし、本が好きなのではないか…とも考えてみたから。             俺は図書室の出入り口扉を開けて中に入った。   するとどうだ、想像していた通りに彼女は隅で本を読んでいた。 やはりこの時間帯も人は居なく、俺と彼女だけがこの空間に佇んでいる。     余りにもシンッとして、耳鳴りが聞こえてくるほどの静けさを醸し出すこの場。 人がなかなか来そうにない図書室は、彼女にとってここは憩いの場なのだろう。       「何を読んでいるんだ?」   「……!?」       音もなく忍び寄って、彼女に声を掛ける。体をビクつかせて驚いた彼女は目線が泳ぎっぱなしで落ち着かないまま、俺と対面した。   俺には何故、彼女の瞳が揺れ動いているのか分からない。故に彼女から何か切り出すのを待ってみた。       「……なんでいるの…?」   「あんたを高校で一目見たかったんだがな……生憎会わなかったから、捜索をしていた」     「…えっち…!」     それは失礼いたしました…と。  
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