第二色

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      やれやれ、瑞希さんも人が悪い。そう言えば柊は他人との接触はなるべく避けているのだったな。     「瑞希さん、こいつはどうやら人見知りが激しくてね……」   「そうなんですか…なら仕方ありません。睦月君で我慢します」       はっ…離してくれ…!何をされるか分からないんだこの人は…!   瑞希さんは俺に更に強く抱き付き、ましてや頬を舐めてきた。 ぬるり――とした感触が肌を伝い、瑞希さんの舌が俺の頬を捉え………耐えるしか出来なかった。     瑞希さんは客でもあり、女性でもある。下手に手は出せないし、何よりも柊がいるから強行はできない。   柊を見てみると、柊は片手にカップを持ちながら紅茶を飲んでいた。 目線と顔向きは外しているが、若干頬が赤く染まっている時点でかなりいっぱいいっぱいなのだろう。       「…うふふっ…睦月君、ちゅーしませんか?」   「…ふぇっ…!?」     「何バカな事言ってるんですか?ここは憩いの場である喫茶店。そんな事は致しません」         瑞希さんの突然の発言に驚き、こちらを見てきた柊。 柊の意外な驚き声と、俺の拒否に少々びっくりしたのが瑞希さん。   瑞希さんは「ならば…」と言いながら再び俺の頬を舐め始める。       あんたは猫か、と言いたいが、それを言うと瑞希さんは更に甘えてくる。 本当に、瑞希さんは年上なのか疑問に思うときが度々ある。     こら柊、横目でちらちらとこっちを見るんじゃない。 このむっつりが。         「悪い事するのはこの舌ですか?この舌なんですか?」   「えぅぅ…やめてくらはいよぅ……わらひが悪かったれふぅ…」       いい加減嫌気がさした俺は瑞希さんの舌を親指と人差し指で摘み、クリクリと擦るように瑞希さんの口から引きずり出した。       「…えっち…!」   「やかましい。これは正当防衛だと言える」       柊は何故か瑞希さんが顔を真っ赤に染めているのを見て、何を考えたのかこんな事を言ってきた。 当然ツッコミを入れたが……瑞希さんの息遣いが荒くなってきたから説得力が皆無だ。      
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