第三色

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    気になった俺は早速尋ねてみた……のだが、どうも俺は地雷を踏んでしまったようだ。 木っ端微塵になりそうな強烈な一撃が、いや二撃が俺を滅多打ちにした。     「親…いない…」   「ウチは小さい時に両親が旅行に行ったまま帰って来いへんかったなぁ。いやいや、死んではあらへんよ? ただ、もう長い間見てへん」     すいません…もう勘弁して下さい。私が悪かったですから、これ以上追い討ちだけは止めて下され。     「あぁ、せやからウチは一人暮らしなんや。しがない独身女なんよ」     ちなみに俺も両親はいません。 俺の場合は幼い時に車同士の事故で二人同時に死んだ。 三人家族で、運転が父親、助手席に母親で後ろに俺。   体の小さかった俺は事故の瞬間運良く座席と座席の間に入り、死を免れた。 だが前にいた両親は対向車と衝突して即死。 事故原因は相手側の無免許並びに飲酒運転によるハンドルの誤操作。     俺は恨んだね。幸せだった時を奪い去った奴を出来るならば恨みを晴らしたかった。 復讐心からは何も生まないと聞いたことはあるが、それは嘘っぱちだ。復讐心が無くなった瞬間、虚無感を生み出す。   事故を引き起こした奴は他にも罪を重ねるような行為を繰り返していたらしく、無期懲役の刑務所送り。 あれ程もどかしくて、精神が病みそうになったのは他に無い。     ……おや、随分と暗くなったな。これも俺がつまらない事を言うからいけないな。     「さて、今日はもう遅いし、俺等も帰りましょうか?」     精一杯の作り笑顔。 どうも、暗くなった次には笑顔が引きつってしまうな。  
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