第三色

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    基本的に目を閉じているのに何が鳥目なんだと言いたいが、言ったら色々とマズい状況になりそうだから黙っておこう。     俺達は普通に自宅に着いた。 どこぞの不良に絡まれることもなく、警察に職務質問されるでもなく、何事もなく。     「う…ウチ男の子の家に上がるの初めてなんよ…優しく…して?」   「外に放り出しますよ?」   「あぁっ!堪忍や!堪忍してぇな睦月はん!」     後ろ襟を掴んで子猫を持つようにして玄関へと体を向けさせると、みつねさんは慌てた様子で謝罪してきた。   全く、人の善意をからかって返事するのは止めて頂きたい。       「……嘘やあらへんもん……」       口元が緩んでいたので扉を開けて放り出しておいた。     ドンドンドンドン!     「ホンマや!ウチの初めては睦月はんやってぇぇぇぇ!!」     物凄い勢いで玄関の扉を叩くみつねさん。近所迷惑極まりないです。騒ぎ散らさないでほしい。 あと、誤解されるから叫ぶの止めなさい。   …仕方ないから玄関の鍵を解除すると、みつねさんは扉を少しだけ開けて中を覗き込んできた。     「早く入って下さい。今度こそ本当に外へ出しますよ」   「うぅ…睦月はんのおにぃー」     そう言いながらもみつねさんは入ってきた。 さて、今日は疲れたな。 そう言えばみつねさんは夕食はどうするのだろうか。 俺はそんな気分では無いし、早く風呂に入って寝たい。     「ウチは夕食は要らへんよー。喫茶店に来る前に間食多めに食べてしもうた」     なら、後は風呂だな。    
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