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「ふーんっ!せっかく流してあげようと思うたのに、睦月はんがそんな態度ならもうええっ」
パタパタとそこから立ち去ったみつねさん。
正論を言った気がするが…少々理不尽では無いだろうか?
ふむ、女心とは難儀な物だ。
それからは何事も無く普通に風呂に入り、風呂から上がった。
全身を暖め、熱が冷めぬ前に寝間着に着替える。
髪は乾いたタオルで拭くとして、みつねさんに風呂が開いたことを伝えに行く。
風呂場を出てリビングへ。
そして、口に水を含んでいたら吐き出していた位の衝撃を受けた。ブーッ!と霧状になって吹き出していただろうか。
みつねさんが、気絶していた。
それもご丁寧に足下にスチール缶……大方、踏みつけて転んだ後に頭を強打。そのまま気絶と言った感じだろう。
…もう…何なのこの人…。
取りあえずみつねさんを起こすため、仰向けにさせて抱き寄せる。そしてゆさゆさと体を振らせながら声を掛けてみる。
「みつねさん、風呂上がりに食べようとした団子が冷蔵庫にありますが…」
「あかんっ!ウチも食べたい」
飛び起きた。
随分と団子が好きなのだな。
勿論団子の有無は嘘ではないが、まさか気絶から回帰するまでとは思ってもいなかった。
…たったの十数分で気絶してしまうとも思っていなかったが。
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