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「………およ?」
みつねさんは今自身の起きている状況を確認すると、素っ頓狂な声を出して首を傾げた。
今、みつねさんは俺に抱き起こされている。
「あやや…ややや?」
「………………」
みつねさんに言語障害でも起きたのだろうか。まともな言葉を発していない。
「ややや…ふぇぇっ!」
爆発した。
いや、爆発と言うのは比喩的表現であるのだが、爆発したかのように赤面したのだった。
赤面するほど恥ずかしいのか…それはそれは、大変失礼な事をしたようだ。
「あっ、あかん睦月はん!ウチまだ心の準備が……それにお風呂にも入らな…」
「何を勘違いしているか分かりませんが、多分その考えは違います。俺はそんなに飢えてはいません」
「…でも、いつかはきっと…狼になるん…?」
噛み殺してあげようか?
数分に渡ってみつねさんに説明を施したら、ようやく勘違いに気がついたみつねさんはまたも赤面し、逃げ出すように風呂場へ駆けていった。
…ふむ、一段落着いたか。
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