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それから何だかんだと準備を終え、みつねさんに家の鍵のスペアを渡してから家を出た。
その際、みつねさんが甘い新婚夫婦がやるような行ってらっしゃいのキスを求めてきたので、容赦なくデコピンをお見舞いした。
そんな訳で俺は高校へと向かってある最中である。
恋愛小説などで良くある、主人公が遅刻しそうで全力疾走や、美少女が不良に絡まれていてそれを渋々助ける…なんて言うのは無い。
特に後者は有り得ない。
この町は地球上で最も安全だと断言できる理由がある。
それは俺がバイトする喫茶店のマスターが関わっているから。
マスターについての詳細は全て不明。過去に何があり、何をしたのかすら分からない。
一つだけ言えるのは、この町がマスターの支配下にあるだけ。
マスターについての話はおしまいにして、ずっと歩き続けていたから高校へはあっと言う間にたどり着いた。
遅刻する事もなく、美少女を救う事もなく。
とにもかくにも、何事も無かった俺は教室へと向かった。
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