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喫茶店の出入り口の取っ手に掛けられた"CLOSE"の板をひっくり返して"OPEN"に変え、俺は中へと入っていった。
中ではマスターがカウンターの椅子に座り、新聞を読んでいた。すぐにスタッフルームで着替え、マスターにコーヒーを淹れて渡す。
その後は各テーブルを隅々まで拭き、椅子を綺麗に並べる。
それからは特に何もすることは無く、客が来るのを待つだけ。
この喫茶店が他の喫茶店よりも決定的に違うのは、客のリクエストにはほぼ何でも答えられると言う事。
一応メニューはあるが、常連になるとメニューに無い裏メニューを頼むことがある。
明らかに何を頼まれるか予測不能なはずなのに、この喫茶店には注文された品が存在しているのだ。
まさに摩訶不思議。
学校の七不思議など霞んでしまうほど、この喫茶店には…マスターには数多くの謎が残されているのだ。
おっと、どうやら客が来たようだ。
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