第五色

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    ポイッ     「あんっ、睦月君のいけずぅ…でもそんな所が素敵っ」   「吹き飛べ」     ポイッ     喫茶店の外へ放り投げてみたが、扉を閉めて振り向いたら目の前に瑞希さんは居た。 何この人、瞬間移動の持ち主なのだろうか?神出鬼没度は誰よりも高く、ふと頭に浮かべば背後に立っている。 読心の心得を持ち、不死鳥の如く舞い戻ってくる。   上手く言えばこうだが、悪く言えばしつこい。執念深い。     「愛です」   「黙らっしゃい」     あぁ!!話が拗れるからあなたは少し黙って下さい!     「…飛鳥ちゃーん…睦月君が虐めますぅ…!」   「…メッ…なの」     この一体感は何だろう。 いきなり柊をマスターの後ろから引っ張り出したと思ったら、俺を指差して泣きついていた。 柊は急に瑞希さんの味方になり、咎めるように俺にダメ出しをしてくる。   ちょうど良い。 二人が居る今、例の件について問いただしてみようか。    
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