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何に怒っていいかわからなくて、
私は全部神様のせいにした。
いっそ神様なんていないって思う
のは簡単だけど、それでも私が神
様を信じるのには理由がある。
由紀ちゃんと待ち合わせをしてい
た桜の木の下で、たった一瞬だっ
たけど、「最高に幸せ」って思え
る瞬間があったから。
桜の花びらが舞う風がふわふわ吹
く中、私は気持ちよくてベンチで
居眠りしちゃった。そこにパーカ
ーを着た、由紀ちゃんが笑顔で現
れて、それがあまりにもいつもの
由紀ちゃんで、だからこそ大好き
な由紀ちゃんで、嬉しくって嬉し
くって私は思わず笑顔になった。
その時、由紀ちゃんは私をぎゅっ
と抱きしめてくれた。
「大好きだよ。さくら」
そう呟いた由紀ちゃんからはなぜ
か桜の甘い匂いがして、私の胸は
きゅうっと締め付けられて、でも
、今最高に幸せ・・・・・・って思えた
。
あれは、夢だったんだろうか?
それとも、神様が私たちにくれた
最後のプレゼント?
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