~like the wind~

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ふと思い立ち、600のシングルに火を入れる。 5年ぶりの帰郷に、もどかしさを覚える。 大きな鼓動に身を寄せながら、懐かしい道に足を向ける。 「いい歳して、いつまでそんなんに乗ってる」 クスリとして、ステップを蹴る。 オヤジもお袋も、懐かしく迎えてくれた。 酒のみながら、話した。 一日畑に出てみた。 地元の友人にあった。 誰もバイクのことには触れなかった。 「また、いつでも帰ってきなっせ」 なんだろう、ホッとする。 少し遠回りして、昔の峠を通る。 右、抜けて左…ここは一呼吸、次に全開。 右手…少し緩める。 そう言えば、昔のメットが置いてあったなぁ。 気張らなくていい。 たまには立ち寄ろうかなぁ。 take it easy… 自分の恥ずかしさを横目に、 「気楽にいこうよ」 遠い場所じゃないさ。
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