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少女は祈るように月を見つめていた。
年齢は恐らく十代後半ぐらいだろう。
長いブロンドの髪が月の光に照らされより美しく輝いている。
しばらく月を眺めていると、背後から声をかけられた。
体格のしっかりとした大柄の男だった。
年は四十代前半と言ったところであろうか。
少女が振り返ると男は少女の隣まで歩いて行った。
「フィーネさま、また月を見ておられたのですか?」
「ええ……バルト、月を見ていると少し色々考えてしまうの」
そう良いながらフィーネという少女はクスリと笑った。
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