~某日・豪雨~

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「メル!!無事か!?」 轟音による耳鳴りが収まりきらぬうちに老人は走る 魔方陣の淵に立っていたため直撃はしていないはずたが、自分よりも近い位置にいた少女はその身を横たえている 「しっかりしろ!!」 少女の肩を抱いて上体を起こす 「……耳………痛い…」 顔をしかめて呟く少女に老人は安堵し、未だ光る魔方陣に目を向ける 先程とは違い、線の部分からの光がまっすぐ上に伸びている 床に座る二人の頭ほどの高さ 揺らめき、二人にその内側を見せない為の壁の様に光り続ける 「……召喚中に『神の鉄槌』が落ちてくるなんてアリ?」 光の壁をぼんやり見つめて少女は老人に問う 「いや、落ちてきたわけではないな」 老人が視線を上に向けるのにつられて少女も天井を見る そこには巨大なシャンデリアが部屋の中をきちんと照している 「神の鉄槌が落ちてきたならば、派手に大穴が空いてるはずだ。……だが確かに鉄槌はこの部屋に落ちた…つまり……」 そこで言葉を止める そしてしばらくの沈黙 「…オジィ。もったいぶるのは悪いクセよ」 呆れた様な顔を向けられた老人は、やや困った様な顔をしていた もったいぶる時のにやけた表情はどこにもない 「お前さんが召喚した奴は、鉄槌に打たれた瞬間にここに飛ばされたらしい」
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