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「……つまんねぇな、このアニメも。」
今俺は、自宅のリビングで朝飯を食べている。そしてこのくっだらないアニメを、俺の妹鈴【すず】は楽しそうに見ている。
一体、どんな所に面白みを覚えるんだ?このアニメ、男ばっかりが出てくるし、なんか逆ハーレムみたいだが。
そんなことを思いながら、朝飯を口に掻き込んでいると、キッチンに居た母親が俺たちに向かって言う。
「早くしなさい、学校に遅れるわよ」
分かってる、そう思いながらもその言葉を飲み込んで、食事を終える。
そして同級生にからかわれないくらいに寝癖を大人しくして、俺は玄関を出た。
ドアを空けると、いつもの通学ルートをたどる俺。
ここで俺の説明。
俺の名前は黒谷一樹【くろたにかずき】。ただの高校生だ。
成績・運動神経なと、すべて平凡以下。
友達は少ない。
俺が他人に抱かせるイメージは『暗い』『話づらい』。
親しい仲でのあだ名はクロ。何時しかついたあだ名だ。
登校ルートを何時もどおり歩くと、何時もどおりの人がやって来るわけで。
自分の後ろから、ちょっと早足でやって来る足音が聞こえた。
そして、そいつから俺に対して声が掛けられる。
「うーっす!クロ!おは!」
「……ああ、お前か。おはよう。って……誰だっけ?」
名前は分かっているが、こいつを見ると無償にいじりたくなるんだよな。
「誰だっけって!友の名を忘れんなよ!」
そいつは、半分怒り、半分笑いの表情を俺に向ける。
「ああ、そうだ。おはよう、ヤギハシ。」
「ちがーう!俺の名は谷口【やぐち】だ!どこをどう覚えたらそうなるんだ!」
「すまんすまん。つい、な。」
こいつは、口調から分かると思うが、俺とは正反対の性格だ。
イメージ的には、『明るい』、『ポジティブ』。そこら辺だ。
あと一人、足りないのだが……と思いながらも谷口と喋っていると。
……やっぱり、諺通り。
噂をすれば何とやらだ。
後ろから、谷口が近付いて来たペースより、早いペースで近付いて来る者がいた。
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