序章―プロローグ―

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「おーい!……ハァ……やっと追いついた……」 こいつは高山雄二【たかやまゆうじ】。さっき言った足りない一人だ。 大体の場合で、この三人でいる。それほど仲がよかった。 そして……高山のことはこう呼ぶ。『社長』と。これは俺が高山を知る前からついていたあだ名のようで、由来は知らない。というか聞いた所でだからなんだ、という事になる。 近付いて来た高山に、谷口が言う。 「よう!社長!おはよ!」 「おはよう。今日もお前は元気だなー。クロはいつも通りだな。」 「普通が一番だろ。」 こういう会話は、何時しか俺らの朝の挨拶になっていた。 そして、谷口が何か思い出したように言う。 「あ!そういや……」 そこから何回も会話が行き交う。そのようにしていつもの様に、俺らは登校タイムを楽しんでいたのだが…… ふと、俺は時間が気になり、何気なく聞いた。 「ん?今何時?」 「オレ時計持ってないぞ?社長は?」 「ケータイ持ってるだろうが……まあいいや。今は……7:59!?」 因みに、俺らの学校は8:15から始まる。要するに、ヤバい時間だって事だ。 ただ、不幸中の幸い、全速力で走って10分の位置にいた。 「……急がないとやばくね?」 「……確かに。」 「……よし、走るぞ!」 俺らは全速力で走り出した。数人を走り抜きながら。 そして8:15。学校のチャイムが鳴り響く。 果たして俺達は……間に合うのだろうか?
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