序章―プロローグ―

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キーンコーンカーンコーン 「ふう……」 「ふう、間一髪だったな!」 「危ない危ない……怒られるとこだった。」 上から俺、谷口、高山。 俺たちは何とか間に合った……ようだ。 さすがに時間ギリギリなので、担任が来る前に素早く席に着いた。 ……担任の詰まらない話が終わり、朝のSHRが終わった。 担任が教室から出るのを見て、俺、高山は教室の中心付近にある、谷口の席の周りに集まった。 「何とかなるもんだな……」 と俺。 「確かに!」 やけに谷口はハイテンションで、 「てか、お前ら速えよ……」 高山はため息をつく。 そんなことを言っていると、ゆっくりと近付いて来る奴がいた。 「そういうならもうちょい早く来いよなー。」 こいつはクラス委員長、大和一希【やまとかずき】。 ……俺はいきなり現れた大和に、少しもの抵抗として言い訳をした。 「そうは言っても習慣がな…」 正直、俺はこいつが嫌いだ。成績優秀、運動神経優秀etc…であるため、平凡な俺にはムカつく対象なのだ。 そんな事を大和に言われると、やはり抵抗したくなるわけで、谷口、高山も言い訳を言い出した。 「確かにそうだけどよー、習慣だなー。なおんねぇよ。ハハハ!」 「……確かに無理だよな。俺らには。」 「おいおい……ちょっとは改善しよう、とか思えよ……」 俺は後に続く言葉を言おう……と思ったが。 その瞬間チャイムがなり、授業が始まった。 しょうがないため、谷口の席から散る俺たち。 そして学級長である大和は、号令を言うのであった。 「起立。気を付け。礼。」 席に着いた俺は一人思う。 「さぁて、寝るか……」 今日は朝から色々あったし、そう頭の中で呟きながら授業を聞く。 ……案の定、俺は授業開始20分後に深い眠りに落ちた。
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