序章―プロローグ―

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「おい!」 …目が覚めると、そこは自分の部屋のベット。昨日寝たまんまの格好だった。 ………しかも恥ずかしく、仰向けのまま、手を天井に伸ばしていた。 「え?………夢?」 俺が自分の見た夢に驚いていると、鈴が俺の部屋に入って来た。 「あれ?珍しいね、起こさないで起きるなんて。」 ………言い訳ではないが、起こされて起きているのではない。起こされる時まで布団に入っているだけだ。 「ボケーッとしてないで、早く起きないとよ?朝御飯出来てるし。」 冷えるから早くね、と言い下に降りる鈴。親が居ない時はいつも鈴が飯を作る決まりになって居る。………一回俺が作ったが、鈴に「不味い!」とダメだしされてから、任せるようになった。 鈴が出て行ったあと、俺は一人ベットで。 「…夢だよな?でも、夢にしては…」 妙に現実的だったような………なんて思って居たが。 「…まあ、いいか。」 朝の思考回路なんて浅はかなものだ。よって飯を食わなきゃ頭も働かない。 だから下に降りた。 そして飯を食っている途中、TVが。 CM「ジェノサイト・クロニクル、好評発売中!!」 すると途端に、昨日のことを思い出した。 「おお。忘れてた。」 「何が?」 困惑の表情を浮かべ、俺を見る鈴。それを見て俺は一言。 「今のCMのゲーム、買うから。」 「え!」 困惑の表情から途端に驚愕の表情に変わる鈴。俺はそれを『敢えて』無視し、時計を見ると。いつも登校するために家を出る時間を、少し過ぎていた。 「っと、時間過ぎてるや。いってくる!お前も頑張れ!」 「いってらっしゃい…」 煮え切らない表情の鈴を余所に、俺は家から出た。 なぜ鈴が喜怒哀楽をするかと言うと、我が家の小遣いは親からの配給制ではある、しかし、他の家と違い、俺の小遣いと鈴のものは同じ金庫……といっても家に有るものだが……に納められ、区別がない。 より、小遣いは二人で使う用に貯めて置いてあるのだ。 最近、鈴が使ったため、残金はあまり残ってない。 よって喜怒哀楽する訳だ。
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