東京

5/6
前へ
/74ページ
次へ
東京の一ヶ月はあっという間だった 『どうだ、手応えは感じたか』と編集長に聞かれた 『はい、感じました。』 『東京でやってくつもりか?』 『いえ、大阪に帰ります。自分の地元もわからないくせに東京なんて(笑)一からやり直してきます』 『そうか…まためげずにこっちでてこい』 『はい、ありがとうございます』 私はスタッフの人達に挨拶を済ませるとアパートに戻った 荷造りしていると携帯が鳴った 『松浦だけど…明日大阪帰るの?』 『あ、はい…そうです』 『じゃあ今日が最後の東京だな。酒でも飲むか?』意外な言葉に私は驚いた 『いいんですか』 この前取材行った店行こうといわれ、私は早めに家をでた 店は洋風居酒屋だ 今1番勢いのあるチェーン店で安くて美味しい 『待たせたな』 松浦さんは慌てて私の座ってるテーブルにきた 『私早く来過ぎましたから』 『もう今夜が最後かな(笑)』 珍しく松浦さんが笑った 『私また遊びにきますよ(笑)でも松浦さんは忙しくて会うどころじゃないだろうけど』 『大河内さん…麻琴ちゃんでいいかな…遊びにくるなら時間あけるよ』 『うれしいです』 『麻琴ちゃんって歳いくつだったの?』 『28です』 『俺30』 『あんな大手の出版社いくなんてすごいです。しかもチーフなんて!』 『責任も重大さ。時々すげえプレッシャー襲ってくる』 『松浦さんなら大丈夫ですよ』 私達はたわいない話しを延々としていた
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

700人が本棚に入れています
本棚に追加