~One Side Eyes~

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中央大陸、西南 軍事指令基地 「ご苦労だったな」 髪が白くなった初老の男が俺に労いの言葉をおくってきた 「労いの言葉よりも先に、今回の報酬を貰おうか」 初老の男は少し苦い顔をすると、膨らんだ紙封筒を投げて渡してきた 「・・・今回はやけに多いな」 「当たり前だ かの名だたる知将クルディス・サリハンを撃ち抜いたんだ 本来なら勲章がものだ」 「栄誉なんて糞にも劣る 世の中、所詮は金だ」 初老の男が今度こそ苦い顔をして、ため息をついてから 「今回の件でお前の実績が認められ、昇進した おめでとう、今日から少佐だ」 今度は俺が苦い顔をする番だったらしい 苛立ちを少しだけ隠して 「糞食らえ」 と、目の前の初老の男に言っておく 「准佐より給金は高くなるぞ?」 初老の男はイラっとするような顔で、そう言った 「・・・なら、いい」
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