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時は流れた。
何度も訪れる季節をヴァッサゴは喜んで見ていた。
何年も何年。
男は最初は不思議そうに見ていた。
だが、それにも慣れた。
流れる時
男は老いた。
髪は真っ白に。
足腰は弱り。
だが、その脳は老いを知らぬかのように働いた。
男は多くを知った。
それを周りに教えることはなかった。
己のみの知識にしたかったのだ。
けれど、男はただ一つ知らないことがあった。
それはかつて悩みに悩みそれでも答えがでなかったもの。
ヴァッサゴが答えなかったこと。
『悪魔や堕天使が求めるもの』
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