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「…私は彼の堕天使様、明け明星の方の下にはいませんでした…そう、あの戦いの直後です。私が神の僕たる役目を放棄したのは」
ヴァッサゴは重い唇を開き、想い馳せるように瞳を閉ざして語りだした。
「彼の堕天使様を地に追いやったのは光の…天使で最も名を知られ、栄光あるミカエル様。ミカエル様と彼の堕天使様がご兄弟であるのは知っておいでか?」
男は頷いた。
何故、名を言わないのか気になりながら。
「ならば、兄弟で情が起きるのは当たり前とは思いませんか?」
男は重たい瞼を跳ね上げた。
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