回想

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あのお優しく勇敢なるミカエル様の瞳が、何も映していなかったのです。 光を失った瞳が 頬についた返り血が 髪についた黒き羽根が 私の全てを忘れさせて身体を凍らせました。 そして思い出しました。 あの方々は誰よりも互いを思い合っておられたことを。 ミカエル様にとってかけがえのないお方だったのです。 その心を壊してしまわれる程に。 私は…ミカエル様を尊敬していました。 あの優しさが、勇敢さが、強さが、お力が…。 その後、ミカエル様がどうなったのか私は今もなお、知ることはありません。
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