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ヴァッサゴの手は震え、瞳からは幾筋もの涙が流れていました。
「どうしたら許せると言うのでしょうか…ミカエル様をお捨てになられた神を…どうしたら許せると言うのでしょうかっ!!」
ヴァッサゴは泣きながら叫んだ。
男は黙って、力ない腕を伸ばして銀色の髪を撫でた。
慰めるように。
「消えてしまうとしても…忘れないでください」
「ああ…」
「人間はミカエル様と多くの天使の命の上にあることを」
「ああ…」
「悪すらも神の予定調和の為に創られた操り人形だと」
「ああ…」
「あの方は…堕天使様は…」
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