知ってはならない

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風が流れた。 冷たい風が、眩しい光と共に。 「人間に過ぎたことを教えたね」 若い涼やかな声音が冷たく響いた。 ヴァッサゴは胸元を見つめた。 深く深く…男おも貫く金の剣が生えていた。 鉄の味が広がる。 男は息絶えている。 「神のお考えは絶対だ。それを貶すことはなんであろうと許されない」 剣が身を内側から焼くように熱を帯びる。 違う。 これはかつて手にしていた…今となっては身を滅ぼす力。 ヴァッサゴは無理矢理首を動かし相手を見た。 金色の髪に紅い瞳をしたあの方々と似た者がいた。
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