知ってはならない

4/4
前へ
/23ページ
次へ
それから数日。 男の遺体が発見された。 胸に十字の傷を持ち、周りには大量の灰が散らばっていた。 異様な光景。 人の口から口へとそれは伝えられた。 そして、こう言われるようになった。 『悪魔と契約した男』 男の家は燃やされた。 全て。 男が所持していた本も。 男が記した本も。 『堕天使ヴァッサゴについて』 そう題された、本も。 全て、燃やされ消え去った。 人が知ってはならない史実。 語られない詩が、また一つ生まれた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加