ヴァッサゴ

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外を歩くヴァッサゴはとても物珍しそうに周りを見ていた。 正確には人間を。 その理由を男は問い掛けた。 「私は召喚されない限り、こちらには出てこれないのです」 ヴァッサゴはそう言った。 その時、物寂しそうな顔をしていた。 「私のような者は少なくはありません。逆に容易に行き来できる者もいれば、こちらに来ることを拒む者もいます」 ヴァッサゴはふと空を仰いだ。 青い空に白い雲が無数とあり風に流れる。 極ありふれた光景が広がる。 燦々と輝く太陽をヴァッサゴはひどく眩しそうに見つめていた。
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