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狙撃兵が銃の手入れに勤しんでいる頃。
ゴードン軍曹は耐えがたい喉の渇きに襲われていた。
顎をいよいよ前に突き出し、汗をしたたらせている。
ナップザックの中の水筒を開けたい。
荷物をすべて降ろして腰掛けたい。
惰性で数メートルふらふらと進んだ後、ゴードン軍曹は悪魔の囁きに負けた。
彼は手近な木の根元にどっかりと腰を落とすと、先程までの歩き方が嘘のようにすばやく荷物を解き、アルミの水筒を取り出した。
落ち着かない手つきで外ブタを回し、ゴム製の内ブタも引きむしるように開ける。
そして口をつけ、一気に振り仰いだ。
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