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小川のそばに三つめの死体ができるのを、狙撃兵は狙撃ライフルのスコープ越しに見ていた。
狙撃兵のいる場所はそこから数百メートル離れていたが、撃たれた体からあがる血しぶきや、あどけない顔を汚す涙の跡までよく見えた。
つい先ほどまで、複雑な生理機能を備え、緻密な化学反応によって考え動いていた三つの命。
それはもう存在しない。
そこにはもう蛋白質の塊しかない。
狙撃兵は上を見上げた。
太陽の角度から時間を判断する。
そして立ち上がった。
次の潜伏場所を探して、そこから足早に去った。
風がふき、木々が穏やかに揺れた。
硝煙の匂いだけがそこに留まった。
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