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「あんた、こんなとこまで旅をしてきたの?」
女の子は、猫の顎をかいてやった。
猫は気持ち良さそうにのどを鳴らした。
「ああ、探してる子がいるんだ」
「ふーん」
「君は、親切だね。こんな野良を入れてくれるなんて。」
猫は前足をペロリとなめた。
「そうかしら。私は本当は意地が悪いかもしれないよ」
リュネは 不思議そうに目を丸くさせた。
「じゃ何かしら意図があるのかい?ま、そりゃ珍しい猫だもんな。オレは。なんせしゃべるし、いざとなったら二本足で立てるし、それにとても優秀だからな。きっとサーカスにでも売りつけりゃナンバーワンの役者になれるし。いわしなんて目じゃなくなって、マグロが何匹…何百匹も囲える贅沢な猫になれるもんな。そのうちサーカスのオーナーも買い取って世界一のサーカス猫やろうになれるのもきっと夢じゃないだろう。」
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