石の箱《》

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僕の街にある美術館に世界でも有名な超一級品の美術品が展示されるという催しが10年前に行われた。 ちょうど、僕がまだ中学生三年生の時だった。街中がその催しにで話題となっていた。 いつもように学校に行くと教室では悪友、もとい親友の三チャンこと三原芳樹となぜか生徒会長の原田圭子がなにやら、話をしていた。 『ようぉ、おはようー何ふたりで仲良く話てるんだ』 『あっ、たっちゃんほら。今話題の美術館の話よ。』 原田圭子がそういった。 『ああ、あれか』 僕が頷いていると横から三ちゃんがニヤニヤしながら言った。 『なあ、見にいかないか。』 『見たい』原田圭子が頷く。 『まあな、2人が見たいなら俺も行っていいけど、確かチケット高いだろう。あれ?』 僕がそう言うんと 三ちゃんはまたニヤニヤしながら言った。 『タダで見るのさ。』 『えっ、タダってどういうことなのよ。』 圭子が驚いた顔で聞き返した。 すると待ってましたとばかりに得意顔の三ちゃんは、ポケットから銀色の鍵を出してみせて 『これを使って夜に忍び込んだよ。』 『馬鹿かよ。そんなの出来るわけないだろう。防犯装置とかあるだろうし、警備だってあるに決まってるだろう。』 『そうよ。』
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