石の箱

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町外れに随分前から使われていない教会がある。その前に誰がおいたのか白いベンチがある。 ある日、そのベンチに白髪の老紳士が座っていた。 ボクが傍を通りすぎようとすると、 その老紳士は軽く帽子を上げて、 『こんにちは、突然で申し訳ない。暫く、私の相手をして貰えないだろうか。ここで待ち合わせをしてたんですが、待ち人がなかなか現れずに困って居ったんところなんです。済まないが相手が来る時間まで、…どうだろう。』 とその老紳士は本当に申し訳なさそうな顔して言ったんだ。 ボクは一瞬、戸惑ったけど、なんだかおじいさんが可哀想な気がして 『そうでしたか。それは退屈だったでしょう。ボクで良ければ、話相手をして差し上げますよ。』 『ほお、そりゃ、助かった。実は何度が通りかがった人に声をかけたんじゃが、皆断られてしまったんじゃ。仕方ない。皆、忙しいらしい。老人の相手をする時間もないらしい。』 『ははは。そりゃそうですよ。来週はこの町では、祭があるんです(笑)。皆その準備に追われているのだとおもいますよ。』 『ほお、そうじゃったか。(笑)』 そう言っておじいさんは笑ったので、ボクもつられて笑ったんだ。そして、おじいさんの横に座り、町の話や祭りの話をしたんだ 。 ひと通り話が終わった後 『いやー実に面白い話を聞かせ貰ったよ。
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