石の箱《》

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石の箱《》

忘れていた記憶、いや封印したはずだった記憶が…僕を… 苦しめる。 リーマンショックから2年が経つ。決まっていた内定が取り消しになり、就職出来ないまま大学を卒業してから二年、未だに定職に就けずいた。 それでも今までは短期のアルバイトを何度も転々しながら、なんとか繋がっていた社会とも、今年に入ってからは先細り、最後のバイト一週間前に呆気なくクビになってしまった。只今無職、ここ何日ハローワーク通い詰めである。1日中パソコンに目を通し、ハローワークの所員にも就職相談したが今日も仕事が見つからず、家路に帰る途中に、長身で落ち着いた感じの紳士を思わせるような品のある男から声を掛けられた。 『失礼ながら、大変にお困りのご様子ではないかね。キミさえ良ければ、短期アルバイトがあるんだが、どうかね?』 『バイトですか?』
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