すれちがう心

6/7
前へ
/112ページ
次へ
「なんか、変な感じになっちゃったね。愛ちゃん、これから家に来ない?」 しばらくは静かに食事していた二人だが、空気は重くまるで葬式でもしているようだった。 そんな空気を嫌がった悠里が、愛子を誘ったのだ。 「……うん」 愛子はあまり考えることなく答えた。 そうして二人は席を立ち、悠里のマンションへと向かった。 街の灯りに明るく照らされた道。二人は微妙な距離を保ち、ゆっくりゆっくりと歩いた。 それは30分ほどの時間だったが、それ以上に長い時間に感じられた。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

512人が本棚に入れています
本棚に追加