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部屋に入ると、リビングの黒いテーブルを挟む形で、ソファーに愛子、床に悠里が座った。
「今日はごめん。でも、話してくれてありがとう」
悠里の方から話し出した。
「私ね、これからも変わらないと思う。でも、愛ちゃんが好きっていう気持ちも変わらない。わがままだっていうのはわかってるけど……」
そして、愛子も沈黙を破った。
「ねえ、私たち女同士の友達みたいになれない?」
その言葉はすごく簡単だったが、悠里にとっては重すぎる言葉だった。
「……そうね」
悠里は目に涙を浮かべ、ゆっくりと続けた。
「私たち別れましょう」
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