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「なあなあ、彼氏とうまくいってないの?」
いつものように一人で食事する愛子に話しかけてきたのは平井だった。
「え? なんで?」
愛子は驚きのあまり、相手が誰かもわからないままで聞き返した。
「ここ、いい?」
平井は自分の食事を愛子の向かいの席に置き、腰を下ろした。
「あ……」
愛子は何か言おうとしたが、突然の展開に戸惑い、言葉にならなかった。
「ごめんね、急に。なんか、また雰囲気変わったなあって思って」
「えっ! そうなんですか?」
愛子は慌てていた。
「図星かな?」
「あ、え……あの」
愛子はしどろもどろになった。それを見た平井は微笑んで言う。
「じゃあ、俺にもまだチャンスありかな?」
「……え? あ、あの」
平井は話をやめ、食事を始めた。
「早く食わないと、昼休み終わっちゃうよ」
すごく長い時間に感じられた昼休みが終わり、仕事に戻ってからも、愛子の胸は高鳴っていた。
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