その奥に潜むもの

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「ただいま」 愛子は玄関のドアを押し開ける。 「おかえり」 いつものように母が出迎えた。 「着替えてくるね」 そのまま自室に戻り、部屋着に着替える。 携帯を開くと、平井からメールが来ていた。 中身は、今日会社であったことや上司の愚痴など、どうでもいいようなことばかり。 この間の返事の催促も無ければ、好きだの一言も無い。 あれから数日、毎日のようにメールはくれたが、内容はほぼ同じだった。 気を遣ってくれているのは伝わっていた。 しかし、愛子はなんとも言い様のない物足りなさを感じていた。
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