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「お疲れさまです。遅くなってすいません」
悠里はママに頭を下げた。
「いいのよ。それより大丈夫? 休んでもよかったのよ?」
悠里は朝から激しい頭痛に襲われていた。薬を飲み横になって休むと痛みはひいたのだが、仕事の入り時間には遅れた。
休むことも考えたが、体を止めてしまうと愛子のことで頭がいっぱいになり淋しさでどうにかなってしまいそうだった。それをごまかすために仕事を休むことはできなかった。
「大丈夫よ。あっ! いらっしゃーい」
常連客のテーブルに駆け寄る悠里。ママはそれを心配そうに見つめた。
悠里はその日も遅くまでフル回転で働いた。
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