決心

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「じゃあ、ここで」 日も落ちかけ、ビルが西日でオレンジ色に染められる時間。 出入りの激しい駅の入口で、愛子は平井と別れた。 ホームへの階段をゆっくり下ると、人の流れのない空間に身を寄せ、立ち止まって携帯を手にする。 「ちょっと遅くなります。ご飯は要らないよ。っと、これでよし」 母にメールを送り、家とは反対方向のホームに向かう。 「びっくりするかな」 一言呟き、やってきた電車に乗り込んだ。
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