盗み追われて当てられて

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 ふと腕の時計を見ると、15才の少年がそうそう出歩く時間じゃない事を示していた。  我が家へ帰る為、道中でタクシーを拾う。タクシーのおっちゃんが不思議そうな顔をしているが、無視だ無視。 「はあ……時間、結構かかっちゃったな……」  月が照らす住宅街を歩きながら、僕は独り言を呟いていた。 やはり泥棒はいくらやっても慣れない。 どんなに上手く出来たとしても、やはり泥棒は泥棒だ。 怪盗と呼ばれるような大泥棒ならともかく、そんな大物ではない僕には堂々とは出来ない。 「……ん?こんな時間に誰かいるのかな?」 小さめな公園の脇を通りかかった時、視界の隅に何か動くものを捉えた。 不審に思ってそちらを向くが、誰もいない。 「あれ?気のせいだったかな……?」 キョロキョロと辺りを見回しながら園内に入るが、それらしき影は見当たらない。 すると、死角から唐突に声がかけられた。 「誰を探しているのかな?」
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