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そう。元はと言えば全部コイツのせい!
私は睨み付けるような勢いで目の前の相手を見た私の目に映ったのは、どこかポヤンとした雰囲気な人。
3人の中で一番童顔で"弟"って感じの人で、怒る気も一気に失せてしまった。
「文美、次あんたの番だよ?」
呆然と彼を見つめてしまった私に理恵が小声で耳打ちする。
「えっ?」
一瞬、何のことか分かららず私は間の抜けた声を上げてしまう。
「自己紹介。その様子だと全く聞いてなかったでしょ」
その顔にまた失礼にも目の前の男が笑いながら教えてくれた。
一度ばかりか二度までもからかわれたみたいで、いい気はしないが理恵の訴えるような視線に私は喉まで出かかっていた言葉を飲み込む。
そして気を取り直し自己紹介をするが
「幹本です」
やる気も愛想も何もない素っ気ないものだった。
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