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肩を竦ませたと同時に、反射的に堅く瞳を閉じてしまった。
すると、履き物と床が擦れる音がして、智宏があたしの方に歩いてきてるのが伺えて、さらに体を堅くした。
「ご…ごめんなさい!あ、あた……しっ!?」
やっとの思いで口から出てきた言葉を最後まで発する事なく、体に熱を感じて、あたしは思わず瞳を開いた。
鼻をくすぐるマリンの匂いと、
さらっとした肌触り……。
目の前が黒いストライプで埋め尽くされている。
「と……も…ひろ……?」
びっくりしすぎて気の抜けるような声しか出てこない。
だってあたし、今……
智宏の腕の中にいる。
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