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午前中の職務が終わったあたしは、いつもよりも数段疲れていた。
というのも、あの後ーーー…。
『あき、おむねがいたいってホント?』
とか散々聞かれて、挙げ句の果てには、
心配しすぎで泣き出す子もいて、ずっとお守り地獄。
いや、子供は好きだからいいんだけどね……。
好奇心と無垢な心を持ち合わせた小さな怪獣に変身した子供に囲まれては、
(子供好きとはいえ、疲れるよ……)
あまりの疲れに、ぽかーんとしながらプールサイドに座りながら、あたしは解放された安堵感から深いため息をついた。
「あき、お疲れぇ~」
ケラケラ笑いながらあたしの肩を叩いた智宏に、あたしはツンとした態度をとるしかなかった。
だって、事の元凶は智宏だもん!
どんな悪魔のささやきで"天使"を"怪獣"に変えたのか。
結局、宥めるのに必死すぎて聞き出せなかった。
「怒ってるの~?」
「べつにっ!怒ってなんかないですぅー!」
口にしてから、
"いやいや、思いっきり怒ってるじゃん!
こんな態度じゃバレバレじゃん!"
って思っても、後の祭。
自ら出してしまった錆は、回収するのが難しいってもの。
ちょっと恥ずかしくなって、その後に続く言葉を探したけど、智宏は動じないで、
「言ったでしょ?罰だって♪」
って、唇に人差し指を当てて、怪しく笑った。
なんていうか……、
楽しそうですね、智宏さん。
満足したのか、あたしの頭をワシワシと撫でられて、ちょっと複雑な気持ちになる。
「だ…、だからって子供を使うなんて卑怯じゃんっ!」
ほだされそうになるのを、ギリギリのところで抑えて、あたしは正論で勝負する。
けど……、
「別に使ったわけじゃないよ?
あいつらがあきのこと大好きだから、ああいう結果になったってだけじゃん?」
(ああなるって予想してたくせに!!!)
じゃなきゃ、あたしの状態見てあんなに楽しそうに笑うはずないっ!!
話せば話すほど、悶々としてしまうあたしだった……。
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